セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴

久々に読んだよ！短いから数時間あれば読み終わっちゃいますね！
何でいきなりこれを読み始めたかというと、昨日まで京極の『鉄鼠の檻』を読み返しておったんですね。
いやーキッツイわ、あははははははは！！！

鉄鼠を読むのは２周目になりますが、こんなに辛い２周目ってありですか。
前回はまっっっっっったく理解できなかった例の薀蓄部分を攻略すべく、今回は気合を入れなおして挑んだんですがね。

完膚なきまでに叩きのめされました。

まっっっっっっっっっっっっったく理解不能でしたよ。ええ、ええ。
ココ、完全に理解できる人っているの？専門家以外で・・
いたら私にも解るやさしい言語で説明して欲しいです、切実に。

そんなこんなで薀蓄部分を放り出して、島荘に逃げ込む私。
いや、逃げてるんじゃない。瀕死寸前にまで減ったHPを回復しているんだよ！
長編に手を出すと、鉄鼠に帰る気がなくなりそうだったので、短めのものをチョイス。

やさしい・・なんてやさしい物語なんだ・・セント・ニコラス！
まだ御手洗も石岡君も若いですね、「最近の若いもんは！」とか言われてますしね。
石岡君も御手洗に対するツッコミが厳しいよね。

「早く掘れよ御手洗」
「じゃあ邪魔するな！」

若い頃（笑）の石岡君って、一見すると御手洗に振り回されているように見えて、でも割と自分の欲望に忠実と言うか要領の良い部分も持ち合わせていましたよね。
なにかと上手く御手洗を乗せたり扱ったり出来る所があったと思う。
今じゃ絶対見る事ができない光景ではないかと・・惜しいなあ本当。

そしてこの物語は、御手洗と折野の掛け合いがもう最高。
何気に私が御手洗の頭のよさを実感する時って、推理の時でも薀蓄を披露した時でもなく、こういった言葉と言葉の掛け合い合戦の時だったりします。
単に意地悪なだけ、といわれたらそこまでですが（笑）

しかしそこがかっこいんだよね、そして何よりこのお話の御手洗は優しい。
自分が美紀ちゃんの父親だったらあれをしてやれる、これをしてやれる・・と怒りを吐露する場面は切ないです。
そして続くこの言葉。

「そうして子供は駄目になるのかな。でもあの馬鹿親父よりはマシだろ？」

マ ジ で 惚 れ る 。
すごく御手洗らしい、皮肉の中にも優しさが（あるいは優しさの中の皮肉かな）こもってる言葉だと思う。
だから好きなんです御手洗。涙ながらもニマニマせずには読めないです。
本当に、大好きです。


気持ち悪い？あはは、褒め言葉ですね。